農作業姿に万歳

 自分は最近池の開拓に力を注いでいる。とはいえ、見付け次第竿を振るという厚かましいことはせず、池の所有者や近隣住民の方に挨拶と話を伺いお墨付き(許可)を頂いて釣りをしている。

 何故かというと、最近開拓している池はほとんどが農村地帯や畑のど真ん中であり、普通に車や人が入れない場所が多く、日本の法律でいう「不法侵入」に値するからである。ここで土地の事情知らない人間が田園地帯に踏み込んで作物泥棒と間違えられたり、車で乗り込んでトラブルの元になるのを防ぐ為である。

 ここで最も有効な姿は農作業姿である。農家のふりをして釣りをするのではないとあらかじめ言っておきます。それに、僕の家は立派な農家です。その姿と、農家という職種の人柄というか、特徴を理解して交渉に臨みます。

 つまり、噛み砕いて説明しますと、あらゆる問題で池に来る釣り人が敬遠されるこのご時世、普段着やバス釣りファッションなどは目立つし、はっきり言って田舎の風景に似つかわしくない姿なので、農村の人間は警戒します。が、農作業姿は恐ろしい程の好意的な効果をもたらすのです。

 1.第一印象は悪くない:当然です。同じ農作業姿だから違和感も何もありません。警戒される事なんて全然心配無し。

 2.農家は連帯感が強い:気を許した会話ができます。たまには作物の話で盛り上がると話から解放されなくて釣りができなかった事もありました。他には人間違いをで畑仕事をサボって遊んでいたと間違えられて怒られました。更には車(軽トラ)を適当な所や畑の隅へ止めさせてもらえます。一番驚いたのが、釣り禁止だと知らなかった池に伺いを立てに行ったら、「釣り禁止やけど、ええよ。釣って来いよ。その代わり、ブラックバスだか何だかしらんよな魚喰う魚は気色いから釣れたら畑へ放り込んで殺しておいて」等と、最後の部分はバス釣りする人には酷ですが、特例が頂けた事があるのです。(その条件には素直に応じるのは忍びないのでうなずくだけはしましたが、結局釣れなかったので何もしませんでした)うーん、こういう場合だけは農家をやってて良かったと思います。

 そして最後に帰る前にお礼の挨拶に行く。これは絶対やってます。感謝の気持ちを述べるのは当然ですし、何より人として当然でしょう。そうすれば次回も快く立ち入らせてもらえます。ちなみに、自分は顔を覚えられています。

 しかし、心配が一つあります。僕が立ち入らせてもらっているのをたまたま見かけた他の釣り人が、「ここは立ち入り自由だと勘違いして乗り込んで来て、最終的にそこの農家に迷惑を掛けてしまわないだろうか?」ということです。そうなった場合、そういう風に見せた自分に責任があるので、自分にもかなりの注意が必要です。

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