害魚論
この話題を始めるきっかけはニュース・新聞等のメディアで取り扱われ始め、続いて書籍も出版されるにつれ、現在バスを始め日本に入り込む(持ち込まれる)外来魚問題が深刻化されて一部地域では対応策が本格的に実行され始めた。この問題が深刻化するにつれてバスを釣る人達は肩身が狭くなるというか、後ろめたい気持ちになるのではないかと思う。
むしろ、こんな時代だからこそ真剣に取り組まねばバス釣りは犯罪の片棒だと言われて日本から排斥されてしまうのではないだろうか?(実際ゲリラ放流は一部地域の条例では違法行為だと聞く)
自分自身、この問題が社会に提起されるまで疑問を持たず呑気に釣り続けていた一人だから、今までバスを釣ってきた人達に一度考えて欲しい問題であるし、これからバスを釣ろうとする者、次の世代にも繰り返さないように考えてもらいたい問題である。
では、日本に馴染んだように住み着いたバスに対してどう考えればいいのか?自分は世間で言われている意見や対策法に関して個人的な意見を述べる事にする。
1.バスは日本の生態系破壊の一要因だから根こそぎ駆除をする
これは釣り人の協力と合意が無ければ完全にはできないが、極力数を減らしていく事ができる。でも、絶対0にはならない。それに、当然だが全ての釣り人が合意はしないと思う。まして、中には自分だけの利益存続の為に必死の抵抗策としてゲリラ放流が後を絶たない等の問題も浮上する。法律等の力を持ってすれば反発も生まれてくる。まして、自然との触れ合いに法はいらないと思う。
2.「帰化」扱いをする。
スポーツ選手などが話題の対象になりやすい「帰化」。でも、こんな事はバスと利害関係が一致する人等一部の支持だけがあっても日本国は認めないでしょう。そうしたら、雷魚は?ギルは?なんて事になる。日本なのに外国産の魚が台頭してしまうことになる。これでは話題が最初に逆戻りになってしまう。かといって「見なかった」扱いでは話は前に進まなくなってしまう。
今の自分に言える事は・・・
はっきり言って自分は「無力」である。現にどうすることもできず、黙って指をくわえるか、この場で語るしかない。でも、自分が害魚論争対策の第一人者なら、「バスを特定の場だけに所有させ、バスの釣り場を限定する」
つまり、バスの釣り堀化が平等で妥当ではないかと思う。持ち出しなどには徹底的に取り締まれば日本全国へむやみにバスの生息域を広げるのを人工的に少しでも食い止める事ができるから日本淡水魚の生態に迷惑をかけるのを極力防げる。
でも、日本人にとって「釣り堀」と言う発想はあまり好まれないと思う。
「誰も入って来ない自然の中へ入って釣りをするからアウトドアは楽しいんだ!!」
と絶対言われてしまうだろう。それは、釣りをするのにスペースで区切るのがおかしいと考えたり、渓流釣りや鯉や鮒の「釣り堀」や「鱒の管理釣り場」のイメージが定着しているから釣り堀を嫌うのであろう。
でも考えて欲しい。湖やダム湖で釣りをしているが、特にダム湖は自然に手を加えた人工物ではないか。そこで舟に乗ってバスを釣る。感覚は「釣り堀」と同じではないだろうか?また、湖ではあるが、特に「河口湖」は他の県よりバスを輸送して補充する。そのために「入漁料」を払わなければならない。これも「釣り堀」と同じではないか。
「バスを釣るのに限られた所へ行ってお金払って人のいるところで釣りするなんてナンセンスだ!」・「鯉や鮒も日本にいる魚の殆どは元々中国産だ!」
と言われたら自分は反論できないが、バスも元々日本に生息しておらず、尚、歴史が鯉や鮒に比べて浅く、日本の淡水魚の生態系を著しく破壊する恐れのある日本の生態系には希な獰猛性を持つ魚種だからこそ危険で扱いが難しいのである。
日本の自然もバスも守りたいと思うならこの問題を慎重に考えるべきなのである。付け加えて言うなら、
「バス釣りが特定の場所で認可されるならバスも法的保護とバス釣りが正式にスポーツの一部として認められるのではないか」
先程は自然界に法を用いるべきではないと述べたが、しかしながら常識的に考えれば、「芦ノ湖から違法的に持ち出され全国に広がった魚を平気で釣っている・大会もする・釣る道具も売っている」等、麻薬・拳銃・密航・不法滞在者を黙認するのと同じ事になる。この事自体昔の人は気が付かなかったのだろう。また、バスは鱒みたいな魚だからと軽視して、ここまで危険な魚とも思っていなかったのであろう。
そう考えるとバス釣りは法の下に置かれるなら先は見えるのではないか。納得する人はいないと思うが、存続を第一に考えればの話で・・・。
一番無難なのは、日本人が海外旅行へ「本場物の料理を食べに行く」と同じでアメリカに渡ってバスを釣れば問題は生じないのである。
追加:ニジマス類も元々日本にはいませんでした。
日本はいろんな渡来物と文化で形成された国ですな。
参考文献:釣り新聞(名前といつのか忘れた)
ブラックバスがメダカを食う(1999・宝島社)