朽木奇行紀行2004
〜山奥の管理釣り場で巻き起こるサスペンスとミステリー〜(大嘘
3月24日(水)、早朝よりT君・サターン君・Y君+僕はT君の家の車で朽木渓流魚センターへ向かう。つまり、我々は前日から合流してT君の家に立てこもり泊めてもらっていたのである。夜は遅くまで、朝は早くからT君の家族を巻き込んでの集団お泊りは痛快でした。(ヲイ
それはさておき、出発してからコンビニで食料を買い込んでからひたすら走り続け、午前7時に目的地に到着する。う〜ん、大体活動する時は僕が運転手だけど、たまには乗せてもらうのもいいものだと実感!!車から降りて背伸びをしている一方で、彼らはさっさと荷物を担いで臨戦体制に入る。僕も慌てて荷物を引っ提げて追い掛ける。
受付でお金を払って準備が出来次第の人から釣り始める。いつも通り、僕が出遅れて最後となる。ま、それは別にいいんだけどね。当日の現在状況としては、空がうっすらと曇ってやや寒いが、まともに立っていられないという程ではなかったので、安心して釣りに集中できる環境でした。何より寒がりのサターン君も何とも言わなかった辺り、大した事は無かったのでしょう。彼の背中からは、「釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!釣りをするぞ!・・・」という意思がオーラになって出ている様に見えました。
滑り出しはこんな感じ |
さて、肝心の釣りの方は、全員好調な滑り出しを見せており、先に釣り始めていた面々は既にテンポ良く何かしらを釣り上げている。釣れている様なのでひとまずは安心。しかし、明らかに分かっている事は、この時点でも僕が大きく遅れを取っていると言う事である。僕はいつもながらではあるが、釣り場に着いてから釣り始めるまでの準備が非常に遅いのです。それはいつもだから別に気にしていないけどね・・・
釣れた魚の数々(右下は後に釣れた80センチ |
・・・とか心に言い聞かせている一方で、僕の「秘密兵器」(実際僕が使っていたのは廉価版だけどね)を投入する。そして、見事に炸裂! 投げて少し沈めて底付近でヒラを打ったり、ボトムノックをする事で近くにいる魚がほぼ全部反応し、奪い合うように飛びついてくるのである。使っている僕もビックリ!このルアーはそれだけの魔力じみた効力をもっているので、恐ろしい事に投げる度に何かしらが釣れたり、もしくはスレで掛かったりする。(ホントヨ、オニイサン!
たまには僕も目立ちたいですよ |
こればっかりは僕の技術も何も必要なく、ルアーの力だけで釣れるものだから、痛快極まりない。ましてや、よそ見して話し込んでいても、リールを巻いていれば魚が掛かるのである。あまりの好調に酔いしれていたのだが、その快進撃はいつまでも続かなかった。???ルアーの動きをよ〜く見ると、確かに不自然というか妙なのである。手にとってみると、
リップが無い!! ( ̄△ ̄メ
等という突然の悲劇が僕を襲う。その瞬間、目の前が真っ暗になってしまいました。(南無
まぁ、それからは他のルアーに切り替えたものの、釣果は10投に一回釣れるかどうかという程度まで格段に落ち込む有様である。一気に皆と同じ位かそれよりも劣勢という状況に追い込まれる。もう、僕の時代は終わった・・・
ご機嫌のT君 |
一方、皆はルアーや泳がし方を変えては自在に釣って行くのだが、僕は手を変えても品を変えても全然駄目。スプーンがイケる!と言われてすぐに真似しても失敗。なら、スピナーはどうだ!と試しても不発するので、自分自身苛立って手に負えない。あ〜、若い連中は柔軟な思想と行動力をお持ちのようで・・・
何だかんだしながら昼が過ぎた頃、たるみきった自分に悲劇が起こる!釣れたニジマスの針を適当に外そうとした時に魚に暴れられて左手薬指にズブリ!とフッキング!!あ〜、やっちまった・・・
魚を逃がしてから休憩所に入って針抜き作業を始める。傷口からは血が噴出すように流れるので灰皿で血を受けながら作業を始める。小さなルアーのフックで、しかも角度は中途半端、バーブレスにしていれば絶対こんな手間は取らなかっただろうに・・・。刺さった直後以降は全然痛くも痒くはなかったが、返しを潰しておかなかった自分の不精さを悔やみながら、やっぱ魚も針が刺さったら痛いわな〜とか同情の念を抱く。
さすがに、休憩所で一人ペンチを持って針外しなんかやっていると、他の釣り人が「大変やな〜、山下って医者のトコ行って麻酔してから抜いて貰ったら?」とか声を掛けてくれるので、
亀田:「いや、保険証持ってないし、移動すると連れに迷惑掛かるから一人で何とかするよ〜☆」
等と、ついつい愛想で笑いながら喋ってってしまう。管理釣り場関係者は、「呑気に笑って喋っとる場合か!」と言うし・・・。とりあえず、地道に傷口を広げて返しが指の皮ごしにうっすらと見える位まで引っ張り、
皮ごとペンチで挟んで返しを潰して引き抜く
亀田:「はい、抜けました!! \(>○<)/」
まるでマジックショーを見せたような口調だったからだろうか、顔をそむける釣り人や女性客、釣り場関係者は呆れて溜息をつく始末。さすがに時間を掛けて血が乾いている部分があったので、すぐにお茶で傷口を擦って洗い流していると、釣り場関係者から、
「お前みたいな客は初めて見た」
と、半分変人扱いの誉め言葉だったのだが、「光栄だ!」と真摯に受け取る馬鹿な亀田。
治療終了後 洗っても落ちなかった血の名残 |
さてさて、傷口をバンソウコウで固めてから戦列復帰!みんなもそれなりに調子よく釣り続けているみたいで、僕も遅れを取るものか!時間が掛かったけど右手でリール位は巻けるぜい!
意気込んだものの、僕の目の前に飛び込んできたのは、やたら馬鹿でかいニジマスを水際へ引っ張り込んだY君の勇士である。しかし、皆はこのでかいニジマスを掴もうとするが上手くいかない、モタモタしていると、いつ外れて逃げるか分からない!状況だったのだが、
おりゃ!
とばかりに僕がニジマスの下顎を右手で鷲掴みで引き上げる。魚も顎を掴まれて必死に噛み付いたり体を振って抵抗する。しかも、魚のエラから大量に血が流れている!しかし、血は僕の右手だった。単に、噛まれて流血していただけだった。尚更、手を離してなるものか!と意地になる。この状態で僕は、普通なら地面に叩き付けたり空いている左手で殴ってやるのだが、生憎左手は拳どころか使えない状況だったのでブンブン振り回したり、ジャイアントスィングしながら休憩所の生け簀へSLAMDUNK!
後で計ってみると80センチはありましたが、Y君の話によれば尻尾に針が掛かっていたというのだから立派なスレですね。そーゆー訳で記録の殿堂入りは出来ませんでした。残念!しかし、このY君はこないだから絶好調というか、やたら運が良い様です。ひょっとしたら、僕の運が吸い取られて行っているのでは!?今までは僕がラッキー男だったけど、これからはY君が新たなラッキー男かも知れない・・・
新たな幸運男 |
僕は今ので手の甲から指・関節に至るまでニジマスの歯に噛み切られて出血が止まりません。しかも、かゆくてたまらないし、握り拳を作れば血が吹いて止まらない・・・。こうして、僕はこの時点で両手負傷と言う事でリタイヤ。他の面々は有効時間一杯の16時まで釣り続ける事が出来ました。いいんだよ、みんなが楽しんでくれるなら、僕一人位・・・
釣りを楽しんでいる光景 |
さて、問題の先程上がった80センチニジマスですが、
締めました
帰る間際までどうするか迷っていたのですが、管理釣り場側からは「これは逃がしてもいずれ死ぬ」と言われまして、僕が、
亀田:「なら、僕にお任せあれ!」
言うなり管理釣り場事務所から包丁を一丁拝借して来て、有無を言わさずザックリ&バッサリ!こういう事は本職に任せなさい!速攻で血を抜いて頭を落として氷を入れ、袋詰めしてお持ち帰りセットの一丁上がり!(でも、内臓を落とすのを忘れてしまったよ・・・)
似た者・馬鹿二人 |
そして、荷物を片付けて車に積み終えてからは早々に下山てT君の家に立ち寄り(僕はT君家へ眼鏡を置き忘れて引き返しましたが・・・)、適当な場所で夕食を食べてから帰りの電車に乗り込んで―という所で解散しました。
各人色々沢山釣る事ができて上機嫌だったし、働き始めるまでの猶予期間は必死に釣りを謳歌しようというサターン君の気概も覗く事が出来ました。ただし、僕は「天国→地獄」な一日でしたが・・・。さて、今年の春からはT君が活動の中心人物となります。彼の企画と行動力と"結果"に期待して、御手並み拝見としゃれこみたいと思います。
おしまい
当日の風景 |