七川紀行2003・夏

 深く済んだ蒼い空、白く湧き上がった入道雲。照り付ける日差しを全身に浴びながら、時折吹いてくる山風の心地良さに包まれ、今とびきりの夏を謳歌している―筈だった。

亀田「寒いな。しかも濁ってる。これじゃ泳げんわ・・・」

 それが、現実を目の当たりにした際に口から漏らした一言であった。

 2003年の7/20(日)、今回はサターン君のみを伴って午前1時に亀田家を出発し、七川ダムへ5時前に到着していた。道中心配していたのは事故や災害に遭遇する事はもちろんだが、とりあえず一番の憂い事は天候である。今年、当日の時点で梅雨は明けておらず、前日まで岩出近辺では雨が降り続いていたので、春の時みたいに雨に見舞われる事が無いようにと祈り続けていました。

 その祈りが通じたのか、それとも天候上の偶然か分からないけど、大雨に遭う事は回避できました。しかし、明け方の時点ではやや寒いといった気温でありました。

 そーゆー前置きはいいとして、到着してからしばらく車内で眠りこけていたが、レンタルボート屋の兄ちゃんがやって来たのでこっちも起きて準備を始める。車を降りた時に、少し離れた所でやたら車と人の数が多い事に気付く。

亀田「何のお祭り騒ぎやねん?」Σ(―△―メ

 我々が車を停めた所から少し離れた所に人が集中していて、その近くにあるテントで受け付けをやっている人にがいたので、上の台詞通りに尋ねてみる。話では、どうやら大会を開催するそうでした。道理で人が多い訳だヨ、コンチキショー。見渡してみれば車だけでも軽く30台はあるようなので、エラい日にカチ合ってしまいました。ガッデム。

 それでショボくれる訳にはいかないのでこちらも準備を整えて出船。同時に大会の競技開始で目の前を舟の大群が通過して行く。しかも全員上流方面へ。正に、芋こぎ状態。ここは町民プールですか?出船直後にそんな光景を目の前にしてゲンナリ。やってられますかぃ、こん畜生・・・

 仕方が無いので我々の舟だけが出船した舟の群れから離れて、下流のダムサイト側へ移動。当然ながら、周りには誰もいねー。この状況で舟から落ちたなら誰も助けてくれませんね、天国直行便で南無・・・とか思いつつも、とりあえずは釣りを始める事にする。

 今回も雨で水が濁っているので、即座にトップウオーターは断念。スライダーワームとおもりを二つ付けたダウンショット・リグの組み合わせで底を探る。重い方が底を取り易いからで、加えて個人的に贅沢を言えば、もう少し水が透き通っていればハードルアーで底付近を泳がせて探る作戦もあったが、根掛かりが怖いから・・・と悩んだ末にワームを使う事に決めた。

 どうやら、その作戦が自分的にはうまく行ったようで、開始早々に1匹目が掛かる。今回は珍しく僕の方が最初だったりする。久しぶりに魚の引きを味わったせいか、ここのバスの引きは強いと分かってはいたけども、やたら魚の力が強く感じられた。とりあえずは、何故だか分からないけど予想以上に抵抗してくれたという表現が妥当かと思った。特に、近くまで引き寄せてジャンプされた時に結構なサイズだと分かったので、正直喜ぶ。結局、散々てこずってしまったが、釣り上げてみれば40センチは超えていた。嬉しさで一杯のあまり、すぐさま写真を撮ってもらう。(遺影!!

最初の1匹

 間髪いれず・・・という感じでサターン君も続くように今年最初の一匹目を釣り上げる、例によって子バスね・・・。彼は、その後もテンポ良く何度か釣れていたみたいだが、やっぱり釣れているのは子バスである。折角遠出して来てるんだから、せめて25センチ以上は欲しいよねぇ〜!?

僕の後に続いたけれども・・・

 毎度ここへ足を運ぶ度に思ってしまう事だが、ダムは面積が広い分、ポイントの数や周りの人との距離等に関しての問題は減るが、その時の状況を把握して魚の居る場所を探すのが大変である。判断を誤れば、見事な不発に終わる可能性が高い。野池はその反対で、魚の集まるポイントは絞れるけれども、先行者が居れば「ハイ、おしまい」である。しかし、ダムでは魚の集まる好条件の重なったポイントを見付けて釣るのが醍醐味だろうけど、探す事を面倒がって「釣る」事しか考えない辺り、やっぱり自分は結果を求める傾向の強いせっかち者か、もしくはただの不精者だと実感してしまう。こういう人間は長生きできませんわね。

とりあえずは釣れたのでよし!

 ま、そんな自分の勝手な感想はどーでもいいとして、午前中の間は降ったり止んだりの小雨に降り回されながら終える。もちろん、亀田が燃料切れを起こしてしまった為、陸地に上がって食事を取る為である。いつもは11時頃に腹を空かせて戻るのだが、今回は珍しく正午を大きく回っていた。丁度、その時は帰着する大会参加者達と重なった。彼らが道具や舟を片付ける光景を眺めながら食事をとる。その後はレンタルボート屋でしばらく雑談に興じる。毎度ながら、レンタルボート屋の兄ちゃんとあれこれ語るのが七川までやって来る楽しみの一つでもあるんです。

 ある程度休憩を取ったので、再び水際へ降りる。我々が舟を置いた所では、その時もまだ何人かの大会参加者が舟の片づけをしていた。その時に懐かしい久しい方とご対面。なんと、MFTの田中さんだったりするのです。しかも、丁度去年のこの日は宇戸さんとニアミスをしていました。つまり、毎年海の日にはこの七川で知人との遭遇があるんです。まぁ、大会がここでやってたんだから、出会う確率は全くゼロであるとは言えませんが・・・。

 午後からは気分転換して臨む。今度は大会が終わってガラガラ状態ではあったが、舟の大群移動の影響と水流でダムの水質状況が一転してしまっていた。高台から見下ろせば、明らかに水の色が違っているのが良く分かる。つまり、そのポイントでの水の動きが分かるのである。とりあえず、どれ程の状態か見てみようと特に下流、ダムサイト方面に向かってみたけれども、いかにもヤバげ風味120%だったので、ひたすら上流へ上る。下流と比べるまでもなく、明らかに水が澄んでいた。けども、魚を見つけることはできなかった。L(T△Tメ

 毎回ボート釣りをする度に厄介だと思い知らされるのが尿意及び便意でして、いつも細心の注意を払っているつもりですが、そうはいかない時だってあります。特に、水上で催してから陸地へ戻ろうとするのは非常に危険なので、できる限りは水分の取り過ぎを控えたり、出船前に済ませておく事が必要です。

 上流までだと行き過ぎたと思ったので、過去に実績のあったポイントまで戻る。ここで長くねばってみる。結果、僕もサターン君も数の追加に成功するが、サイズアップには成功しなかった。

午後からの二人の模様

 さすがに、16時までなってくると疲れが出てくる。特に、僕に至っては仕事から帰ってきて出発までの短時間しか寝ていなかったのでさすがにツラい。ニホンジン、ハタラキスギ・・・ 荷物をまとめてボート屋の兄ちゃんに別れを告げて七川を去る。また来年〜☆

 …なんちゃって〜☆七川の次は例によって民宿兼悪徳中華料理屋を営んでいる友人宅の近くにある漁港へ立ち寄り、何かしら釣ってみようと挑戦するが、失敗。風も強くて魚の気配もなさゲだったので、釣れなかったといえばそれまででした。8月になったら海へ出て行きたいなー

 そうして、我々は一泊して翌日帰途についたのでありました。

おしまい